2007年03月15日

大友良英 『幽閉者(テロリスト)』

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この音楽をあえて、"ノイズ"と
呼びたくなる衝動にかられる。もちろんすでに"ノイズ"はその固有の歴史を持ち
この作品はその文脈からは、大きく離れているだろう。
言うまでもなく大友良英は現在、インプロ、ジャズの文脈で語られるべき
存在で、参加ミュージシャンの核となる人物、秋山轍二、Sachiko Mも同様。
ただし、かつて大友良英は自身のバンド『グラウンド ゼロ』で
80年代からの"ノイズ"を体現した人物、ジム・オルークも言うまでなく
アメリカの実験音楽〜デリク・ベイリーの流れを組む人物、

つまりこの作品は近年のインプロを通過し、そのセンスを流用した
80年代ノイズの再現と解釈する事も可能だろう。
実際に鳴っている音は、始めに家で深夜で小さな音で聞いた時は、
静かなインプロ系かと思っていたが、レビューを書くために
ヘッドファンで聞いてみると、大きな勘違いをしていた事に気がついた。
もちろん、延々とノイズが鳴っている訳ではなく、洗練の極みをつくした
エレキギターノイズ、や、タンーテンブル、サイン派、時にメロンコリックな
アコースティツクギターが流れる。直接的に"ノイズ"を感じる事はないのだが、
何か音の軽さ(決して悪い意味ではない 渇いた感じ?)から
なぜか郷愁を感じてしまう訳だ。

そしてこのメンバーで、音楽的に悪い訳がなくて、
当然のように素晴らしい。
当たり前だ。すでに全員が達人の域に達している訳で、
無駄など一切なく、一気に聞ける。

この音楽を聞きいていると『自由からの逃走』という
言葉が頭からこびりついて
離れない。近年のインプロは即興という無限の可能性から、自己を
縛る事で、いわば『自由からの逃走』でその音楽を構築してきた。
ならば、『幽閉者(テロリスト)』は?
そう『自由への闘争』ではないだろうか?
この『自由からの逃走』と『自由への闘争』のクロスする地点こそ
音楽の誕生たる場所ではないかと、とりあえず言ってみたくなる。


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posted by airplane at 18:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | ■CDレビューコーナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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