
ベルリンの街、塔の上から人々を見守っている天使ダミエル。
ダミエルには人々の心の中の声が聞こえる。天使の姿は大人には見えないが、
子供には見える。ダミエルは親友の天使カシエルと今日見た
人々の様子や自然の姿について情報を交換する。
ダミエルは永遠の霊であり続け、
人間に対して声を聞くだけで何も関与すること
ができないことに嫌気がさしている。
天使といえば、すぐ女性を思い浮かべるが、この作品ではさえないオジサンが天使で
登場する。人間に対して、声を聞くだけで、何も関与できない自分に嫌気が
さしているという状況が自我の芽生えを表している。
ダミエルが空中ブランコをしているマリオンに一目惚れするのがきっかけで天使で
ある事をやめ、人間になるなる事を選ぶのも、子供から大人の移行を表しているとも
言えるだろう。人間讃歌というふうに言われておるが、ダミエルが人間になって
うれしがってやる事はコーヒーを飲んだり、タバコをすったりで、なんとも、切ない。
最後のシーンはやや、唐突という意見もあるようだ。たしかに、最後のやたら長い
説明はいらないかもしれない。とにかくこの映画はコロンボことピーター・フォーク
の登場が全てだろう。映画の中で、映画の撮影をしている、そして天使の視点は
映画のカメラの目という事、2重に構成された映画の世界が深みを与えている。
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